ファンタジー

出張一気読み(21)

Mohmongar
[amazonjs asin="4150105294" locale="JP" title="永遠のチャンピオン (ハヤカワ文庫 SF 529―エレコーゼ・サーガ1)"]マイクル・ムアコック著「永遠のチャンピオン」。エルリック、コルム、ホークムーンなどムアコックのヒロイックファンタジーシリーズをつなぐ概念たる《永遠のチャンピオン》の本質を語るエレコーゼ・サーガの一巻。20世紀の生きるジョン・デイカーが別の時代・次元の人類に召喚され人類のチャンピオンとして戦いながら、愛と義務と宿命との間にさいなまれていき、そしてついにある決断をなす・・・。コルムシリーズと同じ時期のこのころのムアコックの作品は人類に対する諦観というか憎悪が感じられ、読んでいくるとちょっと暗澹としていきますが、その中でチャンピオンが象徴的な何かしらを成しとげるので、ある意味すっきりした作品です。ただその結果の是非はおいとかないといけませんが・・・

出張一気読み(16)「影との戦い」

Mohmongar
アーシュラ・K・ル=グウィン著「影との戦い」。若き魔法使いの葛藤と成長を描く物語、と書くと児童小説めいているが、中身は社会小説?かな。アースシーという世界を通して、現実社会のひずみを垣間見せる。などと書くと難しそうだがお話としては冒険小説としてしっかり完成されているので、気にせず読んでも楽しめる。個人的には物語背景にすすけ見える現実社会のアナロジーとそれらへの批判めいた香りが漂うあたりはちょっと苦手。