出張一気読み(22)「奇面館の殺人」

奇面館の殺人(上) (講談社文庫)奇面館の殺人(下) (講談社文庫)綾辻行人の「奇面館の殺人」。とあることで出張先で時間待ちが生じたので本屋で暇つぶしの本を漁ったら文庫新刊で出てたので迷わず購入。とある富豪にある共通点から招待された客たちが雪の山荘に閉じ込められ、奇妙な仮面をかぶらされつつ怪しげな殺人事件に巻き込まれる・・・ベタベタな推理小説的シチュエーションで繰り広げられる推理ドラマが、綾辻らしく幻想的かつ論理的に進んでいきます。最後に思いもよらない叙述トリックが・・・いわゆる新本格派のひさしぶりの館シリーズ第9弾。話としてはすごく面白いのですが、上下巻にしてはちょっと密度薄く感じる。館シリーズのトリックの源であり、幻想的世界観のバックグランドたる建築家 中村清司の呪いも今回いまいち影が薄かったです。第10弾まであと1作!で焦ったのか?とはいえ私にはあの叙述トリックは最後まで気づきませんでした・・・